接触皮膚炎とはContact Dermatitis

接触皮膚炎とは、皮膚に触れた物質が原因で起こる炎症性の皮膚疾患です。
赤み・かゆみ・腫れ・水ぶくれなどの症状が現れ、繰り返すことで慢性化することもあります。
日常生活で触れるものすべてが原因となり得るため、身近な皮膚トラブルの一つです。
接触皮膚炎の2つのタイプ
01.アレルギー性接触皮膚炎
体が特定の物質(アレルゲン)に対してアレルギー反応を起こすことによって発症します。
1度目の接触では症状は出ず、2度目以降に触れたときに発症するのが特徴です。
症状が出るまで数時間〜数日かかることも多く、原因の特定が難しい場合もあります。
- ●主なアレルゲン
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- 金属(ニッケル、クロム、コバルトなど)→ピアス、腕時計、ベルトのバックルなど
- 化粧品、香料、ヘアカラー、日焼け止め
- ゴム製品(手袋、下着のゴム、靴など)
- 植物(ウルシ、イチョウ、キク科植物など)
- 医薬品(湿布、外用剤に含まれる抗生物質や鎮痛剤など)
02.刺激性接触皮膚炎
アレルギーとは関係なく、皮膚が強い刺激にさらされることで直接的に炎症が起こるタイプです。接触直後から赤み・ひりひり感・腫れなどの症状が出ることがあります。
- ●主な原因
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- 台所用洗剤、石けん、シャンプーなどの界面活性剤
- アルコール消毒
- 酸・アルカリなどの化学物質
- 過度の手洗いや水仕事
- マスク・テープ・絆創膏などの長時間の貼付
接触皮膚炎の症状
接触した部位に、以下のような症状がみられます。
- 赤み(紅斑)
- かゆみ、灼熱感、ヒリヒリ感
- 腫れ、むくみ
- 小さな水ぶくれ(丘疹・小水疱)
- ただれ、びらん
- 慢性化すると皮膚が厚くなり、ゴワゴワ・カサカサする
※手指、顔、首、足、腰回りなどが特に好発部位です。
接触皮膚炎の検査
- ●パッチテスト(接触性のアレルゲン検査)
- アレルギー性接触皮膚炎が疑われる場合、パッチテストによって原因となる物質を調べることができます。
背中などに複数のアレルゲンを貼り、48時間後と72時間後などに反応を確認します。
※保険診療で対応可能です(症状や診断方針により実施を判断します)
接触皮膚炎の治療法について
- ●薬物療法
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- ステロイド外用薬(強さや部位に応じて使い分け)
- 抗アレルギー薬(かゆみの軽減)
- 必要に応じてステロイド剤内服や保湿剤を併用
- ●原因物質の除去・回避
- 最も重要なのは、原因物質との接触を避けることです。
診断がついた場合は、生活習慣や使用製品の見直しをご提案します。
赤み、かゆみが繰り返し出る、特定のアクセサリーや化粧品でかゆくなるなど気になる症状がある場合は、大阪市中央区の堺筋本町しらとり皮ふ科までご相談ください。