疥癬(かいせん)とはScabies
疥癬(かいせん)は、ヒゼンダニという小さなダニが皮膚の角質層に寄生して起こる皮膚の感染症です。
強いかゆみを伴うことが多く、特に夜間にかゆみが強くなることがあります。
疥癬は「不潔だからかかる病気」ではありません。
人と人との接触でうつることがあり、ご家族、介護施設、病院、寮など、近い距離で生活・介助する環境で広がることがあります。
このような症状はありませんか?
以下のような症状がある場合、疥癬の可能性があります。
- 夜間に強くなるかゆみ
- 手指、手首、わき、腹部、陰部、太ももなどの赤いブツブツ
- 指の間や手首などに細い線状の皮疹がある
- 陰部やわきなどに、しこりのようなかゆい発疹がある
- 家族、同居者、施設内で同じようなかゆみの人がいる
- 介護施設・病院などで疥癬の発生があった
疥癬は、湿疹、じんましん、虫刺され、アトピー性皮膚炎などと似て見えることがあります。 自己判断で市販薬を使い続けると、診断や治療が遅れることがありますので、気になる場合は皮膚科を受診してください。
疥癬の原因
疥癬の原因は、ヒゼンダニという肉眼ではほとんど見えない小さなダニです。
ヒゼンダニは皮膚の表面に近い角質層に入り込み、そこで卵を産みます。
初めて感染した場合、症状が出るまでに数週間から1〜2か月ほどかかることがあります。
そのため、「いつ、どこでうつったか」がはっきりしないことも少なくありません。
疥癬の種類
疥癬には、大きく分けて次の2つがあります。
● 通常疥癬
一般的に多くみられる疥癬です。
皮膚に寄生しているダニの数は比較的少ないものの、強いかゆみを伴うことがあります。
長時間の肌と肌の接触、介護、添い寝、同居生活などで感染することがあります。
短時間の会話やすれ違い程度で感染することは通常多くありません。
● 角化型疥癬
免疫力が低下している方、高齢の方、長期療養中の方などでみられることがある重症型の疥癬です。
皮膚に厚いかさぶたや角質がつき、ダニの数が非常に多くなるため、感染力が強くなります。
角化型疥癬が疑われる場合は、ご本人の治療だけでなく、同居者・施設・医療機関での感染対策が重要になります。
どのように感染しますか?
疥癬は、主に人から人への接触で感染します。
通常疥癬では、長時間の直接接触でうつることが多いです。
角化型疥癬では感染力が強く、衣類・寝具・タオルなどを介して感染することもあります。
ご家族や同居者にかゆみがある場合、同時期に診察や治療が必要になることがあります。
診断方法
診察では、皮疹の場所や形、かゆみの出方、同居者や施設内での発生状況などを確認します。
必要に応じて、主に手関節、手のひら、指間の皮膚の一部をこすり取り、顕微鏡でヒゼンダニの虫体、卵などが確認できるかを調べます。
また、ダーモスコピーという拡大鏡を用いて皮疹を観察することもあります。
ただし、通常疥癬ではダニの数が少ないこともあり、1回の検査で必ず見つかるとは限りません。症状や生活環境から疥癬が強く疑われる場合は、総合的に判断して治療を行うことがあります。
治療について
疥癬の治療では、ヒゼンダニを駆除するための内服薬や外用薬を使用します。
主な治療には、以下のような方法があります。
- イベルメクチン内服薬
- フェノトリン外用薬
- かゆみを抑える薬
- 湿疹やかき壊しに対する外用薬
治療薬の選択は、年齢、体重、妊娠の可能性、授乳中かどうか、基礎疾患、皮疹の範囲、通常疥癬か角化型疥癬かによって変わります。
また、疥癬の治療後もダニが死滅した後のアレルギー反応として、しばらくかゆみが残ったり発疹が続くことがあります。
「かゆみが残っている=治っていない」とは限りませんが、新しい発疹が増える場合や、家族内でかゆみが広がる場合は再診してください。
ご自宅で気をつけること
通常疥癬の場合、過度な消毒や特別な清掃が必要になることは多くありません。
ただし、再感染や周囲への感染を防ぐため、以下の点にご注意ください。
- タオル、肌着、寝具の共用を避ける
- 治療日に使用した衣類や寝具は洗濯する
- 肌と肌が長時間触れる接触は、治療が進むまで控える
- 同居者にかゆみがある場合は、早めに皮膚科を受診する
- 自己判断で市販の殺虫剤を皮膚に使用しない
角化型疥癬が疑われる場合や、施設内で発生した場合は、通常疥癬よりも厳格な対応が必要です。
その場合は、医療機関・施設と連携して、リネン類の管理、接触者の確認、同時治療の必要性などを検討します。
よくあるご質問
疥癬は、早めに診断して適切に治療すれば改善が期待できる病気です。
一方で、家族内や施設内で広がることがあるため、周囲に同じようなかゆみの方がいる場合は早めの対応が大切です。
夜間に強いかゆみがある、手指や陰部にかゆいブツブツがある、家族や施設内でかゆみが広がっている場合は、大阪市中央区の堺筋本町しらとり皮ふ科へご相談ください。

