ウイルス性疣贅HPV

一般的にいぼと呼ばれるものには手や足の裏に好発するウイルス性疣贅(ゆうぜい)、首や脇の下などにできる軟性線維腫(なんせいせんいしゅ)、ご年配の方の顔に多い脂漏性角化症(しろうせいかくかしょう)などがあります。ウイルス性の疣贅の原因はヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスの感染です。
ウイルス性疣贅の中でも一般的なタイプを尋常性疣贅といいます。HPVは人から人への接触でうつることが主な感染症です。プール、ジム、銭湯といった施設で間接的にうつることもありますが、感染経路が不明なことも多々あります。
当院で行っている治療法
保険診療
- 1.冷凍凝固
- いぼを液体窒素で凍結し、ウイルス感染した組織にダメージを与える方法です。概ね2~3週間おきに処置をします。最も一般的な治療法ですが凍結時の疼痛があることや、特に足底のいぼは治りずらいので長期間の通院が必要なこともあります。
- 2.サリチル酸
- サリチル酸を含むシールを貼付したり、軟膏を塗布して絆創膏などで覆います。角質が増えるのを抑えたり、角質をふやけさせていぼをとれやすくします。
- 3.漢方内服
- ハトムギが主成分であるヨクイニンという漢方を内服することで、皮膚の免疫力を高める効果があるといわれています。
- 4.外科的切除
- いぼがある部位を直接切除して、縫い縮める方法です。当院では難治のいぼに用いる最終手段としています。大きいものは縫い縮められないので、いぼの表面を削いで、軟膏を塗りながら上皮化を待ちます。
保険外
- 5.炭酸ガスレーザーでの焼灼
- 局所麻酔下にいぼをレーザーで直接焼灼していく方法です。
- 6.5FU軟膏外用
- 抗がん剤軟膏をいぼに外用して治療していきます。いぼに塗ってガーゼで覆うだけなので簡便ですが、いくつかの注意事項があります。
- まずは液体窒素での冷凍凝固加療を中心に、漢方内服やサリチル酸を組み合わせて治療していきます。
- 難治の場合は5FU軟膏や炭酸ガスレーザーでの焼灼加療を検討していきます。
- 液体窒素がどうしてもできないお子さまは場合によっては5FU軟膏外用を勧めることがあります。